IWAMIZAWA COMPANY GUIDE

INTERVIEW

KASA DEN

電装の技術を、地域の未来へ生かす

自動車に備え付けられている各種電気、電子機器の総称を意味する「電装」。ガソリンエンジンの点火装置から電圧レギュレーター、さらにはカーエアコンに至るまで、自動車は電装に支えられていると言っても過言ではない。

その電装を主力に事業展開するのが、三笠市発祥のカサデンだ。確かな技術で電装系の修理やメンテナンスに取り組んでいる。2代目社長の八谷憲一さんは「車と誠実に向き合い、車の平均使用年数を延ばすことをモットーに仕事をしています」と実直に語る。
岩見沢本社のほか砂川に営業所を設置。事業エリアは農業が基幹産業とあって、農業用トラクターのエアコン修理などの注文が多いという。豪雪地帯だけに、除雪車の電装系の修理も得意。大型車両の電装系は一般の乗用車と比べ複雑だが、配線図とにらめっこしながら粘り強く原因を突き止め、１９８８年の創業以来培ってきた技術と経験で的確に直す。
電装系以外にも自動車整備全般をカバーしており、八谷社長は「仕事を通して皆様に安心安全を提供し、地域密着で社会に貢献したい」と力を込める。

2011年3月の東日本大震災の発生直後に、自社ネットワークを活用して仕入れた発電機を被災地に優先的に出荷したことも。電力不足にあえぐ被災者支援に一役買った。「物流に携わる人たちのすごさを知ったという意味でも、貴重な経験でした」
自動車産業を取り巻く状況は近年、変化が著しい。特に、運転操作が不要になる「自動運転」は、国の法令改正等の環境整備もあって加速化の一途をたどっている。さらに、電気自動車が普及しており、電装系を主力に事業を営んできた同社の存在意義も増している。
「当然、そこは意識しています。たとえば路線バスが自動運転になれば、運転手不足でも地域の公共交通を維持できます」と八谷社長。長年培ってきた技術と経験を、今度は地域の未来に生かす番だ。

株式会社 カサデン